その瞳で。

「無理なんて…してない。」

「…いつか、」

「ん?」

「いつか、話してね?…郁のこと。」

なんなんだ。本当に。

こんな、こんな…優くて人のことばっかりで。

なのに、神様はやっぱり不公平だ。

いつか…なんてあるのか?

それなら、俺は今話すよ。

聞いて欲しいから。桃葉に。

「今からは……なし?」

一瞬、目を見開いたけどすぐに、

「ありっ!」

と笑った。