「申し遅れました。私は左大臣フィストス様のもとで一級書官を務めております、ロファーロと申します。
本日付けであなたのおもてなし役におおせつかりました。ですがおもてなし、というのは建前で、実質護衛です。
いくつ申し上げておきます。部屋にいるときは鍵を掛けて、パピアと私以外は入れないように。
そして万が一部屋を出るときは常にパピアと共に行動してください。決して部屋の外で一人にはなってはいけません。パピアが運んでくる食事以外…水一滴も口にしないで下さい。
この城内でも、所構わず立ち入っては行けません。入浴以外は基本的にこの西館の客間で過ごして頂きます。万が一部屋を出るときは必ず私が同伴致します。」
まるで目に見えない落書きを読んでいるかのように抑揚なく告げるロファーロの話を聞いていると、自分が泥沼にずぶずぶと沈んでいくような気がした。
パピアもあれほど饒舌だったのに、今は手を前で組み、とうとうと話続けるロファーロと、しゅんとしおれた自分を黙って見守るだけだ。
本日付けであなたのおもてなし役におおせつかりました。ですがおもてなし、というのは建前で、実質護衛です。
いくつ申し上げておきます。部屋にいるときは鍵を掛けて、パピアと私以外は入れないように。
そして万が一部屋を出るときは常にパピアと共に行動してください。決して部屋の外で一人にはなってはいけません。パピアが運んでくる食事以外…水一滴も口にしないで下さい。
この城内でも、所構わず立ち入っては行けません。入浴以外は基本的にこの西館の客間で過ごして頂きます。万が一部屋を出るときは必ず私が同伴致します。」
まるで目に見えない落書きを読んでいるかのように抑揚なく告げるロファーロの話を聞いていると、自分が泥沼にずぶずぶと沈んでいくような気がした。
パピアもあれほど饒舌だったのに、今は手を前で組み、とうとうと話続けるロファーロと、しゅんとしおれた自分を黙って見守るだけだ。


