獅子王とあやめ姫

 ミカン色の目をうっとりと光らせて遠くを見るパピア。

 自分は将来国王になる人物と話していたのか…畏れ多くて少し縮こまる。

 「でもあの方が国王になるなら私達も安心して暮らせますね。」

 パピアは、そのイーリスの台詞を待っていたかのように、身を乗り出した。

 寝具に上体を起こして座るイーリスの方へより近より、声をひそめる。