「そうなんだよ。別の部屋に泊まってるから。まさか俺より先に父と会ってたなんて知らなかった。」

 ちょっと面白おかしく言ったあと、プローティスはイーリスの目を見て口調を改めた。

 「イーリスなら俺も嬉しいよ。…来てくれる?」

 「はい!喜んで。」

照れ臭そうに笑い合うイーリスとプローティス。

 フレジアは心から安堵のため息をついた。

 そんな一同を見て満足げにプローティスの父が笑う。

 嬉しいやら恥ずかしいやらめでたいやら、ふんわりした空気が満ちる。
 
 「いやあ、ご縁があるとはこのことですなあ女将さん。…おい、どうした?」