大切な恋人からの贈り物を指でもて遊びながらテリが言った。
一番最初の事件から一日も経っていない。
昼間に?と聞くとそう、とやはり目は指輪に向いたままテリが答える。
「ここに向かってくる途中ね、衛兵さんに話を聞いたの。今度はラトキア人の酒屋さんだってさ。太腿をざっくりだって。」
酒、と聞いてさっきの男のことを思い出し、イーリスは再び何に向いているかもわからない怒りが小さく涌き出てくるのを感じた。
そんなイーリスを見てふとテリが言った。
「…そういえばさ、なんでイーリスがこの宿のご主人の一人娘って判ったんだろうね?一見さんだったんでしょ?」
すっと頭が冷えた。
くまなく店内をじっとりと観察していた男の様子を思い出し、軽くイーリスは身震いした。
「ほんとだ…。まあ、どうせ誰かから聞いたんでしょ。だってフィロスが立ちションしてた話、もう私知ってるもん。」
「うっそ。」
「ほんと。…あ、ごめん知らなかった?」
一番最初の事件から一日も経っていない。
昼間に?と聞くとそう、とやはり目は指輪に向いたままテリが答える。
「ここに向かってくる途中ね、衛兵さんに話を聞いたの。今度はラトキア人の酒屋さんだってさ。太腿をざっくりだって。」
酒、と聞いてさっきの男のことを思い出し、イーリスは再び何に向いているかもわからない怒りが小さく涌き出てくるのを感じた。
そんなイーリスを見てふとテリが言った。
「…そういえばさ、なんでイーリスがこの宿のご主人の一人娘って判ったんだろうね?一見さんだったんでしょ?」
すっと頭が冷えた。
くまなく店内をじっとりと観察していた男の様子を思い出し、軽くイーリスは身震いした。
「ほんとだ…。まあ、どうせ誰かから聞いたんでしょ。だってフィロスが立ちションしてた話、もう私知ってるもん。」
「うっそ。」
「ほんと。…あ、ごめん知らなかった?」


