「尚くん、またね!」



彼女は満面の笑みで手を振って帰って行った。



またね。




その言葉がやけに嬉しくて。



また、があるんだ。


また会えるんだって。



嬉しくて、嬉しくて。



その後の帰り道はその子のことばかり考えた。



「ただいまー!」


「おかえりー」


「おかえり…尚、なんかいい事あったの?」



えへへー。


あったよ。

あったけど、まだ言わない。