「分からなくて当然だよ」
「そーそー。俺たち一卵性だしね」
髪の色とかどこかしら変えればいいものを、2人はそれをしたがらないから。
どこか変えると落ち着かないから、いつも同じがいいんだって。
「でも、これから家族にいれてもらうんだもの。ちゃんと見分けられるようにならなきゃ」
その言葉を聞いた瞬間思った。
あ、これ結構早く見分けられるようになるってね。
だって初めて会った時の翔にぃとそっくり。
心の底から思ってる目をしてるんだもんね。
「ねぇ、凛ねぇって呼んでもいい?」
「え…呼んでくれるの?」
慎の言葉に、彼女さんが驚いたように聞き返す。
「何言ってんの。今日から俺たち家族でしょ!」
慶にぃが嬉しそうに笑う。
慶にぃの笑顔って反則だよね。
あんなに無邪気に笑われたら、誰だって可愛いって思うもん。
兄ながらホントに人懐こい性格してるなーって思ったりして。