一歩ずつ彼女に近づく度にドキドキと高鳴る心臓。
やべえ…バクバクしてんぞ。
少し戸惑っている彼女の前で立ち止まる。
「あ、あのさ…いつも思ってたんだけど、そこじゃ見えづらくない?」
この扉は体育館の隅にあって、少し見えづらい。
話すことがそれしかなかったから言ったけど、これは本当にいつも思ってること。
「あ…大丈夫だよっ…私、ここから見るのが好きだから…」
顔を真っ赤にして笑う彼女が、すごく可愛かった。
「そっか…。俺、久遠慶っての。愛美ちゃん、だよね?よろしく!」
「あ…よ、よろしくお願いしますっ…!!」
バッと勢い良く頭を下げた愛美ちゃんを見て、思わず笑ってしまった。
「え?け、慶くん?」
アタフタとする愛美ちゃんが可愛くて。
「ごめんごめん。そんなに勢いつけなくても…ははっ」
俺につられたのか、愛美ちゃんも恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
その表情を見て、俺は思ったんだ。
あぁ、やっぱ好きだな…って。



