別にイケメンじゃないと言われたわけではないけど、兄貴や弟を見てるとね。



「俺もモテたい」



ちょっと羨ましくなる。



そう言った瞬間、ゴツンっと鈍い痛みが走った。



「痛ってぇ!!」


「モテてるやつが何言ってやがんだ!嫌味か、コラァ!!」



は!?




「俺がいつモテたんだよ!」


「これのどこがモテてないって!?」



そう言ってチームメイトこと、駿介が指差したのは体育館にある六つのドア。



「キャー!!久遠くーん!!」


「カッコイイーー!!」



わらわらと集団になって体育館を覗く女子。


でもあれって…。



「俺の兄貴目当てじゃねぇの?」



俺に媚び売って兄貴達に近づこうって魂胆だろ?


そう言うと、駿介は盛大なため息をついた。



「お前の兄貴がトップアイドルだとか、プロサッカー選手だとかって知ってるの俺だけだろーが!!」




あー、そうだったかも。