俺、兄貴になりました②




「そしたら、俺必要ないじゃんって。この家から俺一人くらいいなくなったって変わらないって…そう思ったんだ」



「だから、出て行こうとしたのか?」



「そう」




もう繋ぎとめることができないのなら。

離れて行ってしまうのなら。



「自分から離れて行こうって…」



離れられて行くより、全然マシだ。




翔にぃは立ち上がると、俺の腕を引っ張って立ち上がらせた。




「翠、帰ろう」


「え…」


「翠の気持ちはよく分かった。けど、離れて行くかどうかは、もう一度家に帰ってから決めな?」




そう言って笑う翔にぃの顔は、とても優しくて。



俺はその笑顔に引かれるように、ゆっくりと頷いた。