しばらくの間、ずっとベンチに座ってた。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
出てきた時よりも風が冷たい。
体がいつ間にか冷え切って、青白くなってた。
帰ろうか…。
きっと皆心配してる。
…いや、あの兄弟のことだから、何食わぬ顔して遊んでいるかもしれない。
あそこに俺の居場所なんて
……ない……。
「翠っ……!!」
俺の名前を呼ぶ声に驚いて公園の入り口を反射的に見た。
そこには、息を切らしたように俺を探す翔にぃの姿があった。
なんで。
なんで、俺を探してるの…?
そして俺がいることに気づいた翔にぃが走って近づいてくる。
「翠っ…」
勝手に出て行ったりしたから、怒ってるんだろうな。
また、叩かれるのかな。
そう思ってギュッと目をつぶる。
けれど、いつまで経っても痛みは感じなくて。
それどころか、冷え切った体が暖かいものに包まれている。



