俺、兄貴になりました②




しばらくの間、ずっとベンチに座ってた。

どれくらい時間が経ったのだろうか。


出てきた時よりも風が冷たい。

体がいつ間にか冷え切って、青白くなってた。



帰ろうか…。

きっと皆心配してる。



…いや、あの兄弟のことだから、何食わぬ顔して遊んでいるかもしれない。



あそこに俺の居場所なんて



……ない……。




「翠っ……!!」




俺の名前を呼ぶ声に驚いて公園の入り口を反射的に見た。


そこには、息を切らしたように俺を探す翔にぃの姿があった。



なんで。


なんで、俺を探してるの…?



そして俺がいることに気づいた翔にぃが走って近づいてくる。



「翠っ…」



勝手に出て行ったりしたから、怒ってるんだろうな。


また、叩かれるのかな。


そう思ってギュッと目をつぶる。



けれど、いつまで経っても痛みは感じなくて。


それどころか、冷え切った体が暖かいものに包まれている。