「もう、人が死ぬのは見たくないよ…。」

玲ちゃんは泣きながら言っている。

そんな玲ちゃんを恵は包み込むように抱き締めている。

私と蒼は涙を流していなかった。

蒼なんて、「触るなと言ったのに…」と呟いていた。

そのあとは、二人がショックで動けそうになかったから、何もしなかった。


これで二人目か…。

あの日記と同じだ。

にしても、あの機械を直さないと、暗証番号を打てないじゃん。


でも触れないんじゃ何もできないじゃん。

どうすればいいの?


「ゴム製の手袋があればな…。」

蒼がそう呟いた。


そうだ!

ゴム手袋!

あるとしたら…。

トイレ!