「香織ちゃんはさ、好きな人っているの?」
唐突だった。
しかも、こんなときに何を聞いているんだか。
でも、好き…というか、まあ、そういう人はいる。
「まあ、一応いるよ…?」
「誰?」
「はあ?言うわけないでしょ!」
何だかイライラしてきた。
「香織ちゃんって、案外鈍感なんだね~」
そう言うと、優は私をバカにするように笑った。
「何よ!イラつくんだけど!」
「ごめん、ごめん。何でもない。ていうか、忘れて!」
優は私と反対側の本棚を調べだした。
何なんだろ。
意味わからないし。
私は忘れることにした。
といっても、簡単には忘れることはできないけど…

