恵はそうだ!というような顔をした。
蒼は何かわからない顔をしている。
百聞は一見にしかず。
私はリュックからドライバーを取り出した。
「それどこからだよ?家から持ってきたのか?」
「ううん。1年1組の鍵がついた棚があったでしょ?それの中にあったの。」
「ああ。」
蒼はやっと納得したようだ。
鏡はネジで止められている。
合計四ヶ所。
鈴の音は聞こえない。
今だ…!
私はドライバーでネジを回した。
強く止められて、びくともひなかった。
「っ…!」
私の力では無理だ。
「俺がやるよ!」
蒼がドライバーを取り、ネジを回し始めた。
蒼でも渾身の力を使わないと回せなかった。
でも、何とか回せた。
まずは1つ。
お願いだから、鈴の音が鳴らないで…!
私は心の中で祈りながら蒼の様子を見ていた。