「あなたは誰?!悠祐から出ていって!」
「だまれと、言っているだろう!!」
「誰なの?!」
私は強気で聞いた。
「私は…。わからない。」
今ので、この人は女性または女生徒だとわかった。
「あなたは、図書室で取り憑いたの?」
「いいや違う。今だ。お前を連れて行く!」
まさか…!
この取りついている霊は、さっきの鏡の中の…?!
「ゆ、悠祐くん…?」
「これは悠祐じゃないわ!トイレの鏡に住んでいる霊よ!」
私がそう言ったときだった。
いきなり、悠祐がガクンと倒れた。
「「「悠祐(くん)!」」」
「大丈夫だ。生きてはいる。」
蒼が悠祐の脈をはかりながら言った。
「だけど、衰弱しているみたいね…。」
恵が言う。
悠祐は気絶しているようだった。
このまま…、死んじゃったらどうしよう…。
私のせいだ。
「うう…。俺…。」
「悠祐?!大丈夫?!」
悠祐が起きた。
それと同時に私が悠祐に聞いた。
「ああ…。大丈夫みたいだけど、さっきまでの記憶がないんだ。どうしてここにいるのか…。」
さっきの衝撃で忘れてしまったのだろう。
でも、たぶん、一時的なものだろうだから、大丈夫かな。