「玲~…、それ、香織には禁句。」

「えー?何でよー!どんどん言っちゃってよ!」

「ごめんね、恵。私があんなこと言わなければ…」
「いいんだよ。もう、止めるしかないよ。」

「あれ?なんか、私、敵?なんか、苦しめてる?」

「そりゃそうよ、小学校のころから、香織の怪談話で苦しめられてきた人たくさんいるのよ?」

「あぁ~、あ、あれは、まだわからなかったから…」



実は、私は、小学校の頃に、怪談を友達に話したことがあった。実はその話を聞いた人は、1週間以内に死んでしまうという、呪いの話だった。


あのあと、私も一緒に神社に行って、除霊してもらったおかげで、私とその友達は、死なずにすんだ。



それからというもの、誰も私の怪談は聞かなくなった。


「でも、お願いだから、これが最初で最後でいいから、行こう!」

「いや、たぶん、行ったら、確実に最初で最後になるよ。」

「死なないよ!だって、あんな話、絶対に嘘でしょ!」

「少しは人を信じようね。」



恵は、私を意地でも止めようとしている。

だけど、私だって譲れない。


あの廃校は、私がまだ行ったことのない心霊スポットなんだから!


「お願い恵!!玲ちゃんも!!最悪、私一人だけで入って、二人は待っとくって形でもいいから!」

「ええ!わ、私も行くの?」


玲ちゃんは、自分はいかない気でいたらしい。


「いいでしょ?お願い!」

「ホントに、最悪それでいいのよね?」

「うん。もう、それでもいい!」

「だったら…」
「ええ?恵ちゃん、何言ってるの?そんなの危険だよ!だって、いつも私、あの廃校の前を通ると、ものすごい殺気を感じるんだもん。」

「ええ!?だったら、やっぱり…」

「行かないとは言わせないよ!玲ちゃん、恵、決定!それじゃあ、あと3人くらい男子も誘おっと。」
「ああ…、決まっちゃったよ…。」
「うん…。」


恵と玲ちゃんは、悲しそうな顔で私を見ていた。