ピアノの下にあったので気づかなかった。


その紙は、古くて黄ばんでいて、ホコリまみれだった。


シミとかもついていた。

「香織、そ、それ何…?」

私はその紙をよく見た。

すると、文字が薄くなってきているけど、それは日記だとわかった。

「日記っぽいよ!」
「何て書かれてる?」

私は日記の内容を読んでみた。

「4月10日。入学して2日。学校の造りがわかってきた。私のお気に入りは図書室だ。ってあるよ。」

「女子っぽいな。しかも、この学校の生徒だな。」

蒼はわかっていたかのような言い方だった。

「でも、脱出には何もカンケーなくね?」
「でも、とりあえず持っておく。」

優に私は冷たくいい放った。

「香織ちゃん、そろそろ俺に優しくしてよ~。」


こんなときに何を言ってるんだか。

「少しは脱出する方法考えたら?」
「ひどいな…。」

珍しく優が落ち込んだ。

でも、今の私には、そんなのどうでもよかった。

「それより、早く悠祐と玲を探さねーと!」
蒼の言葉に、我に返った。


今は優なんかより、玲ちゃんと悠祐を見つけなきゃ!


私達は音楽室をでた。

もう1階は行ける場所がなく、2階に上がることにした。

階段は脆くなっていたので、一人一人上がっていくことにした。

最初に蒼が行って、次に恵が行った。

その後に優が行って、私は最後に上がった。

そのとき、私の空耳かもしれないけど、鈴の音が聞こえた気がした。