1組の教室は結構狭かった。
黒板は何も書かれてないし、掲示物とかももちろんない。
だけど、一つだけ気になるものがあった。
鍵がかかっている棚だ。
鍵はダイアル式で、3つの数字を組み合わせてできるタイプだ。
「ねえ、恵、これ絶対に何かあるよね。」
「うん。でも、数字がわからないよ。組み合わせは何百通りもあるから、見つけるのに何日もかかるよ。」
「そっか…。」
私は諦めることにした。
だけど、これ以外は何も気になるものはなかった。
「なあ、寝るときって、どうするんだ?」
「今日はここに眠った方がいいと思うわ。」
蒼の質問に恵がそう言ったので、私達は今日はもう探すのは終わりにして、そこで眠ることにした。
ホコリっぽいし、湿っているし、怖いし。
良いことなんて一つもなかった。
私はリュックを横に置いて、眠ろうとした。
だけど、なかなか眠れなかった。
それはみんなも同じだったようで、恵が私の横でずっと寝返りをうっていた。
優は、もう、眠るどころか座っていた。
でも、私はそれでも眠ろうとした。
お母さん、心配しているだろうな…。
そして、私はやっとのことで眠った。