すると、私達がさっきいた場所の地面が崩れ落ち、大きな穴があいてしまった。
「う、嘘でしょ…。もう、戻れないじゃん…。」
「そんな…。」
さすがに私も危機を感じた。
じゃあ、まさか、あの二人が戻ってこないのは…?
何かに殺され…
その時だった。
♪~♪♪
着信音が鳴った。
ケータイを見ると、圏外になっていた。
なのにメールが届いた。
しかも、知らないメアドだった。
「だ、誰からなの…?」
「わからない。」
メールを開いて見てみた。
『ここから出たいのなら
少女を逃がせ。』
ただそれだけだった。
「し、少女…?何のことよ。」
「つまり、その少女を逃がせば、俺たちは助かるってことなんだろ?だったら、少女とかを助けるっきゃないっしょ。」
優の言葉は間違いではなかった。
でも、そう簡単に信じていいのかな…?
もしも、霊が私達を閉じ込めるためについた嘘だったら…?
そうしたら、私達は二度と外には出られずに、この廃校で死んでいく…。
だけど、もう、頼りはあのメールだけ。
脱出できるなら、どんな方法だっていい!
「じゃあ、まずは、二人を探そう。」
私はそう言って歩き出した。
「行こうか。」
蒼がみんなに呼びかけていた。
そして、みんな私についてきた。
私がまっすぐに道を進むと、1年1組の教室があった。
ドアは開いていた。
脱出のヒントを探すために、私は中に入った。
「香織、どこに行くんだ?二人を探すんじゃないのか?」
「それもだけど、脱出のヒントも探そうと思って。」
「香織、個人行動はやめてよ。いなくなったと思うじゃん。」
あまり泣かない恵も半泣きになりながら私に注意した。
「じゃあ、みんなも一緒に探そうよ!」
「OK!」
蒼はあっさりOKしてくれた。
「恵と優は…?」
「俺はもちろんいいよ!」
「わ、私もよ!」
恵は少し怖そうだったけど、教室に入ってきた。