それから10分たった。


制限時間を過ぎている。


遠くまで行ったのかな?


私達は少し不安を覚えながら二人を待っていた。


そして、それからさらに10分が過ぎた。


さすがにおかしいと思い始めた。


「ねえ、玲ちゃん達、遅くない?」


恵がみんなの不安を言ってしまった。


「わかるよ。でも、もしかすると、ただ迷子になっているだけかもしれないじゃん。」

「だけど、どちらにしても助けに行かないとヤバイんじゃない?」

「うん。じゃあ、みんなで行こうよ。」

「何で?!」

「え?だって、一人か二人で助けに行って、また戻って来ない人が増えていったら、らちが明かないでしょ?それよりは、みんなで言った方がいいかと思って…。」

「香織…。」

「え…?」

「たまには良いこと言うじゃん。」

「たまにって…。」


とりあえず、みんなで行くことになった。


ああ。もう1個カメラないかな…。


まあ、仕方がない。


私達は恐る恐る廃校に入った。


すると、外の空気と一変して、全く違う空気になった。


気持ち悪いと言うか、冷たいと言うか…。


言葉では言い表せなかった。


そして、少し奥に行ったときだった。


バタン!



「きゃあ!」

「ドアを閉めるな!」

「誰もさわってないよ!」


私の言葉にみんなが凍りついた。


「じゃあ、今のって…。」


恵が何か言おうとしたときだった。


「うわあああ!!な、生首がぁ!!う、浮いてる!!」


優が指差す玄関のところを見た。


そこには、本当に生首が浮いていた!


「きゃああああ!!」


恵の悲鳴を皮切りに一斉にみんな、走り出した。


玄関とは逆の方向に。