あれから、私は、廃墟には行っていない。
廃墟に入ると、あの日のことを思い出すから。
それは、蒼も同じだった。
でも、私は何かに惹かれるように、怖い話には興味を持つ。
普通なら、怖くて心霊系は一切関わらなくなると言う。
でも、私は怖くて怖くて仕方ないのに、怖い話を聞いてしまう。
調べてしまう。
また、命に関わることがあるかもしれないのに。
それを知っていながら聞いてしまうんだ。
私はどこかおかしくなってしまったのだろうか。
それとも、まだあの廃校の呪いが残っているか。
私にはわからない。
でも、あの廃校は、いまだに取り壊しをされていない。
行方不明者の捜索もしない。
それはきっと、まだあの廃校に呪いがある証拠なのかもしれない。