外に出ると、蒼とばったりあった。
「一緒に行くか。」
蒼はいつもより緊張しているようだった。
「いつも通りでいこ!」
「そうだな!」
私が言ったから、蒼も緊張が解れたようで、いつものようにしゃべった。
途中、クラスメイトに会った。
「香織ちゃん!大丈夫なの?」
「うん。もう、大丈夫だよ!」
私は明るく振る舞った。
教室に入ると、恵がいた。
「香織、おはよう!」
「恵ぃー!」
私はすぐに、恵に飛び付いた。
会いたかったよ!
謝りたかった。
「ごめんね。私のせいで。」
「ううん。大丈夫。私は。」
「ありがとう…恵…。」
「おい、おい。もう泣くなよな!お前、水分残ってるのかよ?」
「な…!ひどっ!」
「香織、泣いてたの?」
「そうなんだよ。それで、俺の服、びしょ…」
「ああああ!何でもなーい!」
「ふふ。」
恵は意味深な笑みを浮かべた。
絶対、私を冷やかしたいんだ。
何だか、暗かったけど、気分が明るくなった気がする。
朝は、死にたいとか言ってたけど、もう、そんなこと思わない。
みんなの分も生きたい。
ただそれしか思わなかった。
教室の、玲ちゃん、優、悠祐の席には、花の花瓶が置かれている。
すると、一瞬、3人が見えた気がした。
みんな、笑っていた。
私のこと、恨んでいないんだ。
私は胸が熱くなった。
優しいよ。
みんな…。
私は改めて、友達の大切さを知った。

