「香織。まさか、俺のことも…?」
蒼と言われた人は、悲しそうな目で私を見た。
「ご、ごめんなさい。」
「マジか…。」
二人ともショックをうけていた。
たぶん、親友とかだったのかな…?
そのあと、お母さんと看護婦さんが話をして、私の記憶喪失は、一時的なものだと知った。
友達も、それを聞いて安心していた。
私はとくに怪我もひどくなかったので、その日に帰った。
私はお母さんの車に乗った。
すると、蒼と呼ばれていた男子も乗っていた。
お母さんが送るのかな…?
だったら、もう一人の子は?
私は車の窓から見た。
あの子は、お父さんが迎えに来ていた。
じゃあ、大丈夫か。
私は車に揺られながら、町の景色を見ていた。
周りが暗くなってきていた。
何だか、暗いと怖く感じる。
すると、一瞬何かが浮かんだけど、すぐに忘れてしまった。
15分ほどして、家についたらしい。
「蒼くん。今日はありがとうね。明日から宜しくね。」
「はい。」
お母さんと、蒼と言う人は、そう言って分かれた。
「さあ、家に入ってすぐに寝なさい。」
「うん。」
私も、何だか疲れていたし、すぐに寝たかった。
だから、丁度よかった。
私は自分の部屋に案内されて、そこのベッドにすぐに飛び込んだ。
とても懐かしく感じる。
やっぱり、自分の家だ。
私は眠ろうと目を閉じたときだった。
コンコン
窓から音がした。
窓からってことは、泥棒とかの可能性もある。
私はカーテンをゆっくりと開けた。
そこにいたのは、泥棒とかではなく、蒼と言う人だった。
「香織。何か思い出したか?」
「まだ何も…。」
「そうか。なら思い出したときでいいか。」
蒼と言う人は、なぜか照れているようだった。
「じゃあ、俺、戻るわ。明日から学校行くから、わからないことがあったら、聞いていいからな。それじゃ。」
蒼と言う人は、また自分の家に戻った。
家、隣なんだ…。
私はそれも懐かしく感じた。

