私達は地下室に戻った。
とても不穏空気が漂っていた。
「香織。大丈夫か?」
「うん。」
「恵も準備はいいか?」
「うん。」
さあ。
脱出しよう。
3人揃って。
作戦はこうだ。
まず、私が中を見る。
そして、何か暗号があったら、私がすぐに伝え、二人に解いてもらう。
そして、はしごが降りてきたら、恵が先に行って、次に蒼。最後に私が脱出する。
という流れだ。
きっと、あの穴についている蓋を開ければ、『少女』が襲ってくるだろう。
「行くよ?」
私はゆっくり歩き出した。
そのとき。
最後になるだろう、日記が落ちていた。
10月15日
明日、私は殺されるらしい。話を聞いてしまった。この学校にさえ行ってなければ…。今日でさよなら。
死にたくないよ…。
最後のところに血痕がついていた。
死んだのかな…?
もしも亡くなったのなら、きっと『少女』とは、この日記を書いた本人だろう。
こんなにも図書室に行っていて、秘密を知って、殺される。
これで幽霊になって襲わないはずがない。
そのとき。
日記の裏に、文字が書かれているのに気づいた。
学校で、人を殺し、楽しんでいる人がいる。死体は全て図書室の地下だ。
図書室の司書室には入るな。
殺ス…
最後の文字は、赤かった。
血で書かれているのだ。
これで確信した。
この日記を書いた本人が、『少女』だ。
「香織?やらないのか?」
「今から。準備はいい?」
「ああ。」
「うん。」
二人がそう言って、私は穴の蓋を開けた。