時計を見た瞬間、お腹が空いた。


「ねえ、お腹空いてない?」

「私、お腹空いた!」

「俺も。」


3人とも同じだったらしい。


私はリュックからお菓子を出した。


これが最後だった。


「最後か…。明日には脱出しないとな…。」


蒼がしみじみと言った。


私達は、最後のお菓子をしっかりと噛み締めた。


明日は、おいしいご飯が食べられると信じて。


今頃、外では私達が行方不明になったって騒いでいるんだろうな…。



そして、10分で食べ終わった。


「さあ、脱出する方法を考えよう。」

「最後の暗号があのメールだとしたら、『少女』を解放するってことでしょ?」

蒼と恵が話をし始めた


「『少女』は、たぶん、あの穴の中にいると思う。だから、あの穴の中を見たら、何かわかるかも!」
「でも、危険じゃないか!香織が一番よくわかってるだろ?」

「うん。でも、みんながこんな目にあったのは、私のせいだから、私が一番危険な目にあった方がいいから。それでみんなが脱出できるなら、私はそれでいい。」


私が言うと、二人とも黙り込んでしまった。


「香織、そんなこと言わないで。私も協力するよ。」
「俺は何かあったら助ける!」

「蒼、恵…。ごめんね…。」


私はそれしか言えなかった。


こんな目にあっているのに、私を助けてくれるなんて。


謝ることしかできない。


「それじゃあ、最後の暗号を解きに行こう。危険だけど、3人で協力すれば、きっと大丈夫。」


蒼がそう言った。


私達はまた図書室へと戻って行った。