そのときだった。


「アハハハ!死ね!アハハハ!殺す!」


また笑い声が聞こえた。


「香織ぃー!!やだ、やだ!もういやだー!!」


恵が怖くて腰を抜かしていた。


すると、いきなりまた息が苦しくなってきた。


首の辺りに冷たい感触がある。


どんどん息ができなくなる。


「あ…。た…す…。かはっ…。ああ…。」


誰かが首を絞めている。


誰か…
助けて…



気が遠くなっていく。


たぶん、目を瞑れば、死ぬんだろうな…。


でも、何でかな…


眠くなってきちゃったよ…。


瞼が閉じちゃう…


ああ…。

あと少しだったのに…。


私が目を閉じようとしたとき。

「香織!香織!死ぬな!」


そう言いながら、蒼が私の頬を軽く叩いている。


すると、苦しかった息が、しっかりと吸えるようになった。


「あ…おい…。ごほっ。私…、死んじゃう…って…。」

「大丈夫だ。ここは危険だ。行こう。」


蒼は、恵に肩をかし、私を片手で抱き抱え、歩き出した。


「あ、蒼!私、もう大丈夫だから!」

私は恥ずかしくなって、慌ててそう言った。


「大丈夫か?」

「うん。」


私は少し足が覚束なかったけど、なんとか立った。


「アハハハ!」


まだ笑い声が聞こえる。


私達は急いで上に行った。


そして、図書室からでた。


その間に恵もちゃんと歩けていた。


「ここの廊下、確か玲ちゃんが危ないって行っていたから、もっと向こうに行こう!」


私が言うと、二人とも歩き出した。



そして、ちょっとした広場になっている場所に座った。


「さて、どうする。あれじゃあ、出られないぞ?」

「私、あの出口のところにはしごみたいなものがあるのを見たの。たぶん、あれも何か暗号を解けば降りてくると思うの!」

「本当か!でも、暗号なんてもう無かったじゃないか…。」

「まだあるよ。最初にきた、あのメール。」


私はケータイを取り出して、二人に見せた。


そのとき、私は時間を確認した。


色々あってわからなかったけど、4時になっていた。