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「……という訳だけど、何か質問はあるかしら?」
東西南北の面倒なしがらみだとか、裏ルールだとか、暗黙の了解だとか。
会長さんの話を聞く限り、かなーりこの町には面倒な決まり事があるらしい。
そして、あまりにも“現実離れ”している此処での常識に 、此処はピーターパンのネバーランドみたいやなと思った。
質問は、ない。
ただ……
「一個解せないんですけど。」
少しぶっきらぼうになってしまったうちの言葉に、副会長さんはクスッと笑って「何が?」と聞いた。
「なんで、その連盟とかで喧嘩が正当化されてるくせに、うちは停学なん?!……ですか?!」
うっかりタメ口になりそうになったのは、感情が高ぶったから。
だって、そうやん。
その“連盟総長”とかいうヤンキーは英雄扱いされるのに、うちは停学。
なんか、不平等!
「そうねぇ。ここが、“お嬢様教育機関”だからでしょうね。兵藤さん、まだそっちの世界に興味はおありになるの?」
「そっちって……」
「連盟、入りたいとか思うのかしら?」
「いや、それは全く。」
カナンの生徒会長的には、うちが連盟に加わったりでもしたら、世間的にまずいんだろう。
うちが嫌な気持ちにならないように程度の軽い口調での質問やったけど、その瞳は意志が強く、ああこの人もうちの仲間なんやなと思った。
会長も、大きな何かを背負わなければいけない人間。
ただ流されて生きる事を許された人間ではない。
「そんな坊ちゃん方のお遊びに付き合いたいとは思いませんから。」
うちがそう言ったのは、紛れもない事実だ。
苦労を知らないお坊ちゃんの、領土争いに関わりたいとは微塵も思わない。
けど、それよりも。
うちは此処に来るとき、“兵藤のお嬢様”であろうと決めた。
過去は置いてきた。
だから、喧嘩はしない。
「まー、元関西締める番長さんなら、下らなく思うよねぇ。」
「……でも、それなりに興味はあるんやけど、どんな人達何ですか、連盟総長って。」
聞けば、うーんと考える素振りを見せる2人。
そして。
「性格の悪い、ワケアリ人間かな?」
「気に入られたら最後ね。」
息ピッタリに、笑顔で悪口。
なんやそれ。
とてつもない奴らだということしか伝わって来ないんだけど。


