そのまま陰飛羽講座は滞りなく進み、うちはとうとう新学期を迎える事になる。
「───あ、そうそう。兵藤さんの事は、烏丸さんに任せたから何かあったら聞いてね。」
朝、色々手続きがあるとかで呼ばれたので生徒会室に向かえば、隣室に招かれて話は進み、そんな中やたら爽やかに副会長さんに言われた。
「烏丸さん、ですか。」
「多分、兵藤さんは好きになれるんじゃないかな。」
はぁ、と曖昧に返事。
別にその子と仲良くしたいとは思わなかったし、特段に興味もなかったんや。
だから、気に入るとか気に入らないとかどうでも良かった。
「お気遣いありがとうございますー。」
「副会長として当然のことをしたまでだよ。」
上辺だけの礼を言っても優しく微笑んで、きちんと返してくれる律儀な副会長。
そう言えばこの人、『北原』さんだったよな。
やっぱりあの北原なのか?
北原に娘っていたっけ?と頭をフル回転するも、残念ながら付け焼き刃のお嬢様の知識にはそこまで入ってなかったのだ。
でもきっとそうだろう、と勝手に決めつけた。
天下の聖カナンの生徒会なら、家もきっととんでもないから。
『白雪姫みたい……』
生徒会室にて。
会ったばかりの半端ない美人にうっとりされた。
うちはまぁ、一般的に綺麗な顔立ちであると思う。
けどその子は、綺麗だなんて言葉で片付かないくらい綺麗だった。
ぶっちゃけ、こんな綺麗な女の子は初めて見るレベルや。
海色輝く青眼。
真珠のように白い肌。
それに対比するような真っ黒な髪。
そしてその子にまとわりつく澄み切った空のようなオーラ、存在感。
そんな子から『白雪姫』なんて、普通はお世辞にしか聞こえなくてムカッとするところやろうけど。
本当に、キラッキラ瞳を輝かせていうから、なんか照れてしまうし。悪意も感じないし、イヤミでもないし。
────さっすが天下の聖カナン、生徒も一級品や。


