だけど本当は知っているから。莉緒くんの本当の優しさを。

だから諦めきれなかった。

やっぱし、告白断らなきゃ。

こんなんじゃ優くんをもっと苦しめるだけ。

そして私も。

私は屋上を出て一回家に帰った。

家に帰って私は携帯を取り出して優くんに電話をかけた。

『もしもし優くん?』

「__うん。そうだよ。」

『私ね、やっぱり莉緒くんが好きなの。』

きっぱり言った。ぐたぐた言った方が期待をさせて苦しめるだけだから。

「__そっか。」

『うん。じゃあね。』

「あぁ。」

そういって電話を切った。

ごめんねは言わない。

『ありがとう。こんな私をすきになってくれて。』

私はそう小さくささやいた。

ありがとう。私じゃなくて、他のひとを見つけて幸せになってね。