向こう側に。




_________伝えなきゃ、本当に愛海は知らないんだ。

私の中で仮説が、確信に変わる。


「さっきお母さんから聞いたんだけどね、悠莉が倒れたって…!!」


今 言葉にしたら、ようやく自覚して、何だか泣きそうになった。


『え…?嘘…でしょ?
もう、吃驚させないでよ~!

そこに悠莉も居るんでしょ?
二人してウチを嵌めようとする~!!』



愛海は、驚きはしたけれど 信じてくれなくて。

そして、"騙されないんだからね~?"と
陽気に笑っている。


「嘘でも無ければ、嵌めようとしてる訳でも無いの!!

信じてよ、お願いだから!!」


『ごめん、良く、わからないよ…。

咲の所に今から行くから、詳しい話聞かせて。』


私が声を荒らげてしまったから、愛海が少し申し訳無さそうに言う。


「わかった…。信じてくれた、の?」

『うん、最初に信じなくてごめん。
じゃあ、すぐ行くから。』


"それじゃ"そう言って、愛海が電話を切った。