「適当に座って」
部屋に入ると愛海が興味津々に部屋を見回していた。
「はーい。」
「お茶とコーヒーどっちにする?」
しばらく会ってないと、好みもわからない。
「お構いなく、お茶でお願いします。」
礼儀正しい喋り方だけど、愛海に似合ってなくて クスッと笑ってしまった。
「うわぁ、綺麗だね~。こんなに片付いてないよ、私の部屋」
「そう?引っ越して来たばかりだから、片付いて無いよ?」
お茶をテーブルに置きながら愛海に答える。
「自分で借りたの?
部屋とか探すの大変だったでしょ?」
「うん、借りたのは私じゃないけどさ。
探すの大変で知り合いに頼んじゃった」
へぇと、見渡しながら言う愛海。
本当にお願いする前は、自分で探していた。
でも、中々見つからずに見かねて助けてくれたんだ。
まぁそのお陰で、素敵な部屋に住めたけど。
…家賃まで面倒見てくれる特典付きで。


