向こう側に。





_____トントンッ。



「えっ。」




誰かに肩を叩かれ振り返ると、私は固まってしまった。


こんなに、すぐに会うことになるとは思わなかった。






「咲…だよね?
覚えてるかな、愛海(メグミ)だよ。」





思ってもいない人物に声を掛けられて、
ビックリした。




勿論、この街で出会ったのだから、

会うかもという可能性を否定していた訳ではない。





千堂から話しも聞いていたけれど驚くに決まっていた。








「咲?」



愛海に声を掛けられてハッとした。





「あ、うん。わかるよ。

忘れる訳ないじゃん、愛海でしょ?」





なんだか、変わってしまったな。



大人っぽくなったって言うのかな?







あんなに無邪気だった愛海も、4年も会ってなければ変わるよね…。




連絡をしなかったのは私なのに、なんだか少し、悲しくなった。






「あ、良ければなんだけど、この後話せる?


急ぎじゃないから無理だったら良いんだけど…。」




愛海が、遠慮がちに言う。



なんだろう、話って。





「大丈夫だけど、荷物あるし…。

良かったら家おいでよ。片付いてないけど」



流石に荷物持ったままでは…と思い問いかける。








「いいの?じゃあ、お邪魔する。」





うん、と頷く私に愛海が微笑む。



話せるからなのか、久しぶりに会えたからなのか…。


きっと両方だと思う。