すると、保健室の中からは、翔夜と神野くんの話し声が聞こえた。 あたしは部屋に入らずに、その場で立ち聞きする。 “良くない”って…、何が…? 「でも、治療は、まあまあうまくいってんだろ?」 「そうですね。 …でも、そう長く生きられないと……。」 「……そうか。 なんでお前なんだろうな。 紗梨、家にこもって泣いてたぞ?」