**遥side**


「うわぁー、また断られちゃったよ…」


「またナンパしたのかよ」


友達の桐山翡翠(きりやまひすい)は、ガクッと肩を落としていた。


「だってあの瑞樹って子可愛いからさー」

「いくらなんでもやりすぎだろ」


そう苦笑いする俺に翡翠は肘で俺の腹を突ついてきた。


「おまえなー、瑞樹って子をまだ見たことないから言えるんだよ。
実際見たら瞬殺だと思うぞー?」


「瞬殺って…」


その前に俺が女を好きになるわけないだろ。

【女】なんだし…。