〜誠人side〜
あいつ、あっさりと帰りやがった。
帰る場所があるのにわざわざ一人暮らしをする意味がわからない。
帰る場所なんて生まれた時からないやつもいるんだよ。
...俺みたいにな。
あいつが出て行ったあと、春樹はすぐに古新聞を調べ始めた。
「おい、どうしたんだよ春樹。なんで名前なんて聞いたんだ?」
隼也がそう聞くと、
「なんか、見覚えがある気がしたんだ。名前も、聞き覚えがある」
「知り合いだったわけ?」
俺は春樹の背中に向けて問いかけた。
「いや、そんなはずはない。だから、もしかしたら最近ニュースかなんかで見たのかもって思って...あ、あった!」
春樹は一枚の新聞紙を俺らにみせた。