さてと。この制服着るのも久しぶりだなー。
まだ数回しか着てないけどね。
両親が事故に遭ったのは、私が高校に入学した一週間後だった。
だから私は、たった一週間通った後、1ヶ月も休んでいたことになる。
クラスの子達とは一週間でなんとなくしゃべったけど...完全に出遅れているだろーなぁ。
沈んだ気持ちで着替えた私は玄関へ向かった。
もうみんな行っちゃったかな?
私よりだいぶ早く準備終わってただろうし。
でも、そんな私の予想とは、まったく違った光景を私は目にした。
「おい菜結!おせーぞ!」
「菜結ちゃん早くー!遅れちゃうよ!」
「とりあえずさっさとこい」
「菜結ちゃんの制服姿かわいー♪」
えっ!どうしてみんなまだいるの!?
急いで玄関へ行き靴を履いてみんなと一緒に外に出た。
「みんな...一緒に行ってくれるの?」
「もちろん!だって菜結ちゃん、道わかんないでしょ?」
あ、そういえばそうだった。
「今日だけだからな!普段は俺らも別々だし」
そうなんだ。でも、今日だけは一緒に行ってくれるんだね。
それってちょっと、嬉しいかも。
こうして5人で一緒に登校するのは最初で最後になるだろうなと思った私は、今日のことをいつまでも覚えてたくて、何度もみんなの顔を見渡した。
みんながいる。
学校に行くのが少し怖かったのに、みんなのおかげで怖くなくなってきた。
よし!とりあえずクラスに溶け込むぞ!!
いざ!学校へ!