春樹が救急箱を取りに行ってくれたので、私は椅子に座った。
「はぁ。私迷惑かけっぱなしだ…」
役に立てない上に足を引っ張るようなことばっかりしてる。
気持ちがどんどんと沈んでいき、悲しくなってくる。
「持ってきたぞ。手、見せてみろ」
さっきと同じように手を出すと、春樹は消毒をして絆創膏を巻いてくれた。
「よし。次からは気をつけるんだぞ」
「うん。ごめんね、足引っ張っちゃって…」
めんどくさいやつって思われちゃってるかな?
「別に気にしなくていい。初心者なんだから、こんな事日常茶飯事だ。いちいちへこんでたらキリないぞ」
春樹から返ってきた言葉は、想像よりも全然温かくて、気持ちがスッと楽になった。
「そっか。そうだよね!ありがと春樹!」
春樹に笑顔でお礼を言うと、そっぽを向かれてしまった。
「じゃ、さっさと作るぞ」
うーん、私って嫌われてるのかな?
なんか春樹って、クールだけど優しいんだよね。
ツンデレみたいな感じかな?
「できたぞ」
「うわぁー!すごい!おいしそう!」
出来上がった五人分の朝ご飯とお弁当を見て一気にお腹が減った私。
「でも、こんなにたくさん作ったのに、1時間もかかってないんだね…」
「まあ、こういうのは慣れだからな」
すごいなー。みんなそうなのかな?
「じゃあ他のやつ起こしてくるから、菜結はそれ並べといて」
「はーい!」