嬉しくてつい笑顔になってしまっていると、それを見た春樹が口を開いた。
「...菜結、お前さ、ほかのやつがどうしてここに来たのか、知りたくない?」
いきなり春樹に『菜結』と言われ、一瞬ドキッとする私。
自分から言ったことなのに…顔が熱い!赤くなってないかな!?
でも今はその心配より、春樹の言葉の方が気に掛かっている。
確かに、みんなはどうしてシェアハウスに来たのかな?
「そう言われれば、知りたい!…でも、それって本人から聞くべきでしょ?みんなが自分から言ってくれるまで、私は何も聞かないよ」
私の言葉が予想外だったのか、少し驚いている春樹。
「…それでいいならいいけど。地雷踏んでから後悔しても遅いぞ」
「えっ…それってどういう…」
気になって春樹の方を向いたその時、
「…!あぶない!」
気をとられていた私は、野菜を切るために使っていた包丁で指を切ってしまった。
「いっ…!」
「ったく、何やってる。ほら、見せてみろ」
春樹に自分の手を差し出す。
「これくらいなら、大したことないな。一応消毒もするか。ちょっと待ってろ」