「ねぇ…。いちのせあゆむ君…だっけ??」

女子が二人、僕の席の前にきた。

だれだっけ??


「歩君てさぁ…彼女いるの??」

―ビクッ


「…いない…よ。」

「そうなんだぁ〜わかったぁ〜!」

二人は嬉しそうに自分の席に帰っていった。


今度は藤田が来て、
「さっそくモテモテだなぁ!どっち狙いだよ??」


「どっちも狙ってないし。モテてるわけじゃないよ」

そう…。
モテてるわけじゃない。
ただ、僕の顔が綺麗な顔立ちをしてたから、興味が湧いただけ。

いつものことだ。

「ふーん…。早く彼女作ればいいのに…。いいなぁ余裕ある奴はー!」


余裕なんかないよ…。
僕は彼女なんて、一生できない。


いや、恋することすらできない。しちゃいけないんだ。