――ドン!!


急に大きな音がしたと思ったら、同時に空が光った。

打ち上げ花火…。


まさか独りで見るなんて…。


真っ黒な空を、色鮮やかに明るく照らしていく。


なんだか…ほんのちょっとだけ。


明るい気持ちになれた。


「綺麗…」


今まで見た以上にそう感じた。


泣いてたせい?


心も暗かったから?


花火が終わる頃には、涙は止まっていた。


明るい未来を信じる…。


そう先生に誓ったはず。


しっかりと前を向いて歩かなきゃ…。


じゃなきゃ僕はなんのために、先生に助けられたんだ。