身動きがとれない伸也へ、黒斗はゆっくり歩み寄る。 「……弟が大切だったなら、お前は復讐なんかするべきじゃなかった」 「……………………」 もはや口も利けない伸也。 ベッドの上に転がるデスサイズを手に取り、構える。 「…………簡単に狂ってしまうのも、人間の性(さが)か」 瞳が赤く輝くと、黒斗は伸也へデスサイズを降り下ろした。 (…………恵太郎…………ダメな兄ちゃんで、ゴメンな) グワシャッ 鮮血が、噴水のように噴き出した。