今年の夏の心残りは一つ。 花火大会の日に告白できなかったこと。 絶好のチャンスだった。 疲れのため倒れた剛は人気のいない所に友人達の誘導で連れて行かれた。 「みんなで診ていてもしょうがないから。 ここは里沙に任せて私達は花火を楽しみましょう」 と、野田さんの気遣い。 剛と里沙ちゃんは二人きりになれた。 「夏目くん、好きです」 小声で剛の耳元にささやく里沙ちゃん。 里沙ちゃんは今日剛に告白するつもりだったのだ。 だが、爆睡の剛には聞えていない。