Cry for the moon

ロンドンでの生活にもようやく慣れ始めたものの、相変わらずリュウトは、言葉の壁に苦しんでいる。

言葉がうまく通じないせいなのか、ロンドンに来てから、誰と演奏してもしっくり来ない。

言葉がうまく通じないとは言え、一緒に活動しているのは、ヒロや、ヒロと親交のあるミュージシャンとその仲間なので、まだ若いリュウトの事をとてもかわいがってくれて、人間関係がうまくいっていないと言うわけではない。

演奏自体には問題ないはずなのに、この違和感はなんだろう?

他の人にはわからないかも知れない微妙な違和感が、リュウトの中で日に日に大きくなっていく。

(なんだこれ…?今までずっと、こんな事なかったのに…。)