Cry for the moon

「…最後の、おやすみのキスだね。」

「うん…。」

「じゃあ…おやすみ。」

「おやすみ…。」

トモキはいつもそうしていたようにアユミの頭を撫でると、寂しげに微笑んで、背を向けた。

「最後くらいは…ちょっとはカッコつけられたかなぁ…。」

誰にも聞こえないような小さな声でそう呟き、トモキは堪えていた涙をこぼした。

「サヨナラ…アユちゃん…。」

トモキは、つらくてどうしても言えなかったアユミへの別れの一言を、空に向かって呟いた。

胸が痛くて、甘くて苦い、トモキの初めての本気の恋が、静かに幕を閉じた。