和泉に投げ渡された女物の鏡。
うわ〜………唇切れまくってるし、目は腫れてるし、すげぇな。
「手当てしてやろっか⁉︎」
「断る。杏菜にされたい」
「バカ、医者の息子なめんなよ」
「それより、コイツ門限あるから先に家まで送ってく」
キレイな寝顔で眠る杏菜を軽く揺すった。
薄っすら目を開けて、俺の首に手を回して抱きついた。
「珀疾さん…。傷だらけの顔…」
「俺は大丈夫だから。家帰るぞ」
「うん…。帰る…」
ふらふらしてる杏菜をおぶって、和泉の家を出た。
とっくに杏菜の門限の6時は過ぎてる。
吐く息も寒いぐらいに寒い……。
「杏菜。寒くねぇか?」
「大丈夫だよ…ありがとう…。珀疾さん、ごめんね…」
「謝んなよ。俺こそ……怖い思いさせて、ごめん」
「助けてくれたから大丈夫」
今日は駅で別れるなんて出来ない。
俺が責任持って、杏菜を家まで送る。
もし、杏菜に何かあったら俺は絶対に後悔するから。

