優しい先輩はとんでもない不良でした




縛られてる腕が解かれたと思うと、1人の男が床に押し倒してきた。


視界が霞んで、ただ涙が零れる。


恐怖心があたしを煽り、声すら出ない。


「や、やめて…ヤダ……」

「逃げんなよ‼︎誰も助けに来るわけねぇだろ‼︎」

「ひっ……いやっ‼︎」


バチッと乾いた音が響いた。


左頬がジンジンと熱く痛む。



助けてよ……珀疾さん…。


前みたいに助けて…‼︎



––––––––ガラガラ‼︎


急に空いた教室の扉。


視線の先には、息を切らした和泉さんと……珀疾さん。


「鍵掛けてねぇ辺りがバカだよな〜ほんっと。なぁ?柊舜也」

「月岡と瀧澤…‼︎」

「…お前ら……俺の女に何してくれてんの?」

「珀疾さん…‼︎」


初めて見た殺気立った目付き。


あたしまで肩が震えた。


けど、すぐに痛いぐらいに強く抱きしめられた…。


「杏菜…ごめん…ほんとに、ごめん…」

「大丈夫だよ…。あたしは何もされてないからぁっ……」


珀疾さん、すごく震えてるよ?


助けに来てくれただけでも嬉しい…。