心配してくれた事が嬉しかった。


あたしはそれだけで十分‼︎


「無理すんなよ。俺、一応先輩だから」

「珀疾さんも無理しちゃダメですからねっ‼︎」


2人で笑い合って、珀疾さんがキスをしてくれた。



もうすぐ付き合って半年。


特に大きなケンカもなく過ごせて、毎日が幸せで………


とても楽しいのは、きっと先輩のおかげ。



それからは特に変な事も、気味が悪い事も無く……。


寒さだけが増してった。


「うわ、寒っ…」

「寒いですね〜‼︎寒いの苦手?」

「俺、冬大嫌い。ずっと夏で良いと思ってる」

「じゃあ、将来は南国住みですね」

「そうだなー。杏菜連れて、南国で暮らすわ」


笑いながら、あたしの右手をそっと取った。


珀疾さんと暮らせたら、毎日が楽しいだろうね。


「お前、手冷たいな」

「心があったかいんです」

「ははっ‼︎それ、自分で言うかよ」

「いっ、言わせて下さい…。特に取り柄も無いので…」

「バカ。杏菜の取り柄なんて、けっこーあるだろ」


ほんとに珀疾さんって、優しい人ですよね……。