次の日の朝、お弁当を持ち家を出ていつもの通り満員電車に揺られる。


学校近くの駅で降りた時。


誰かに見られてる様な視線を感じた。


気持ち悪いかも………。


小走りで学校に行き、下駄箱で後ろを振り返った。


「…誰もいない…。気のせいだよね」



でも、最近誰かに後を着けられてる気がする……。


勘違いであってほしいな……。



昼休みには美術室へ行き、大好きな珀疾さんに会う。


「珀疾さん‼︎来ました‼︎」

「おー、杏菜。おいで?」

「あっ‼︎和泉さんは…?」

「和泉は今日サボリで休み。だから、杏菜にくっつき放題」


イタズラに笑いながら、隣に座るあたしの髪を撫でた。


今日もカッコイイなぁ〜……。


「…お前、なんかあったのか?」

「へっ⁉︎いきなり……なんで?」

「いや…いつもと違うから。嫌な事でもあったのかなって」

「嫌な事……あ…」


一瞬、頭を過った。


誰かに着けられてるかもしれない……


でも、これは確かな事じゃないし…。


「…ううん‼︎何もないよ‼︎大丈夫です」



珀疾さんに相談する程の事じゃない。