知らなかった‼︎


付き合ってて一回も誕生日の話とか、した事なかったもん‼︎


「和泉さんナイスです‼︎」

「は⁉︎杏菜、彼女なのに知らんかったの⁉︎」

「恥ずかしながら……」

「まぁ、珀疾はそうゆうの言うタイプじゃねーよな」


和泉さんはよく分かってる。


さすが、いつも一緒にいるだけあるね。



そうとなったら珀疾さんに誕生日プレゼント買わなきゃ‼︎


何か欲しい物あるのかなっ‼︎



期待を膨らませて、家に帰ってから貯金箱を開けてみた。


それなりにお小遣いためてるもん‼︎


「………う、嘘ぉ〜……」


財布にあるお金と足しても、千円ちょっとしかないよー‼︎


最悪………。



次の日の学校はかなりブルー。


失礼な事に、朝から千香がケラケラ笑う。


「そんなヘコむ事なくな〜い?」

「だって‼︎彼氏の誕生日に何もしてあげられない彼女って嫌じゃない⁉︎」

「杏菜はそんなにモノをあげたいの?」

「えっ…それはー……」

「プレゼントって、気持ちじゃない?」


気持ち、か〜……。


あたしに出来る事は何かないかな。