優しい先輩はとんでもない不良でした




さっと立ち上がり、別に行きたくもないトイレに避難。


「トイレ行って来る」

「行ってらっしゃーい」



トイレでひたすら考えるのは、どうしたら杏菜を傷付けないか。


アイツ、すっげぇピュアじゃん。


キスから一歩でも進んだら………。


年上として俺が我慢しねぇとダメだ。



「あ、おかえりなさい‼︎」

「おう。…もうすぐ昼休み終わるな」

「へっ?そ、そうですねっ」

「俺も教室行くわ。ずっと行ってねーし」

「う、うん……」


しょんぼりする杏菜の手を引っ張り、美術室を出た。


ごめん、杏菜……。


俺が大人な考え出来ねぇから、笑顔にさせてやれないんだよなー……。



退屈過ぎる教室。


和泉が休みだから尚更、暇。


「珀疾君すっごいカッコイイ〜‼︎」

「教室にいるとか超レアじゃん♪」

「でも彼女いるらしーよー‼︎」


女子の皆さんヒソヒソ話してるっぽいけど、丸聞こえ。


杏菜に触りたい……。